Wing & Wind

Wing & Wind

~Wing & Windブランド・コンセプト~

ブラジルにいる蝶が羽ばたくとニューヨークで竜巻が起きるのか?!
このバタフライ効果は、「蝶の小さなはばたきが、遠くの場所の気象に影響を与えるか?」という気象学者のエドワード・ローレンツ氏による問いかけに由来する。
ちょっとした変化によって、その後に大きな変化が出てくるというバタフライ効果。
この概念を知り得た時の歓びは忘れない。
そして、この感覚が無性に好きだ。

僕は羽根も好きだ。
好きになったきっかけはアメリカ先住民族。
自然に触れ、動物たちと繋がり合い、星を理解し、地球の鼓動に聴診器をあて、
悠久の叡智を感受する帯域幅を拡げることの大切さを学ぶ。
彼らは羽根を使いこなす。羽根は魂の故郷へ導く原点回帰の象徴とも言える。
羽根と言えばFeatherを想起するかも知れない。
Wingは翼だろう!と指摘する方も多いと思う。
でも僕は「動」を感じるWingが羽根に他ならない。

羽ばたくと風が起きる。
風の旋律を自由に操る羽根たち。
WingとWindの連鎖は僕を未だ見ぬ世界にいざなう

今回モチーフにしたのはイヌワシ(ゴールデンイーグル)の風切羽根。

イーグルは、強さ、勇気、遠眼、不死などの象徴として使われ、空の王者や最高神の使者とも考えられてきた。古くはローマ帝国の国章とされ、ヨーロッパを中心に帝国、王国、貴族、都市、教会などで多く使用された。鷲の紋章を意味する『イーグルクレスト序曲』(Eaglecrest An Overture for Symphonic Band)は言わずと知れた名曲。僕たちのブランドのテーマソングにしたい!と願っている(笑)。

ブランドに込めた象徴美と機能性を兼ね備えたのが『Wing & Wind』。

日常を楽しむクールな大人のための等身大アクセサリー。
巷に溢れる安かろうなアクセサリーでは役不足。
かと言って高級ブランドばかりでは野暮。

僕たちに似合う等身大のアクセサリーを目指した。

アクセサリーと言っても、装飾は“アクセサリー”ではなく「ジュエリー」として素材と加工に注力した。
使い方によって固有のセンスが滲み出る。

『Wing & Wind』を使って頂く皆様のセンスの補助輪になりたいと願っています。

柴田明彦
多様性工房㈱ 代表取締役
Wing & Wind ブランドディレクター

Wing & Wind ファーストプロダクト”Wing of Golden Eagle”に込めた想い

【イヌワシの翼を表現した理由】

ひとくちに鳥の羽といっても、鳥の種類や翼のどの部位にあるかで形も色も変わってくる。
今回モチーフにしたのはイヌワシ(ゴルデンイーグル)の風切羽根。
風切羽根も3分類出来る。初列風切、次列風切、第3列風切である。初列風切は飛ぶための推進力を生み出し、次列と第3列は羽の重なり合いで湾曲面(おわんをひっくり返した様な形)を作り、揚力(浮き上がる力)を生み出す。つまり推進力を司るのは初列風切だけで、鳥が飛ぶためにはなくてはならない大事な羽。
初列風切のイメージは飛翔、飛躍、成長、成功、巣立ち、上昇など。
Wing & Wind のファーストプロダクトを作るにあたり、「身に着ける人のお守りになるような羽を」と思っていたので絶対に初列風切を作りたかった。それも、大空を悠々と舞うイヌワシの羽を。ウイング・オブ・ゴールデンイーグルだ。

【作りについて】

羽を作るにあたって、目指したのは「本物のイヌワシの風切羽根」を出来る限り再現すること。本物に迫りたかった。

一枚の羽は図1の様に「羽柄」「羽軸」「羽弁」の3つからなる。

羽軸(羽の真ん中の1本の線)の断面は三角形に近い形をしている(図2)。三角は曲げや折れに強く、一番頑丈な構造だからだ。したがって彫る時も羽軸を両側から斜め45度の角度で彫って、三角形になるように彫った。

細かい線の集まりに見える”羽弁”(うべん/ 羽軸から出ている羽の集合体)も本物の構造に忠実に彫った。

羽弁の一枚一枚は瓦屋根のように重なり合っている。(図3)
つまり、断面は広い面と狭い面が交互に重なる。この断面を再現するために、片切りと呼ばれる形のたがねで彫った。片切りで彫った場合の断面は図4の様になる。

一方、一般的な溝の彫り方は左右対象なV字溝になる(図5)。この時使うたがねは毛彫りたがねと呼ばれるたがねだ。この両者の違いは、片切りたがねは彫るのが難しく、毛彫は易しいという事。 これだけ細かい線を連続して彫るには、ふつうなら毛彫たがねを選ぶ。
細い線を簡単に彫れるからだ。 片切りは扱うのが難しく、初心者が綺麗な線を彫るのは難しい。しかもこれだけ細かい線を入れるのは相当な経験が必要になる。

もう一つの大きな違いは、片切りタガネで彫ると、広い面と狭い面が交互に出るので、見る角度によって光り方が変わり、色が違って見える事があげられる。実際の羽も見る角度で色が変わって見えるので、同じ現象を再現したかった事も片切りで彫った理由の一つである。

【仕上げのこだわり】

今回の羽のディテールの細かさを妥協せずに再現するために最大限氣を使った。

  • タガネで彫った溝を最後の仕上げの時(バフと呼ばれる研磨機械で磨く時)に潰してしまわないように、機械を使わずに手作業で仕上げた。
  • イヌワシの羽の模様(オフホワイトとブラウンのツートン)を表現するために、羽の先端と根元で磨き方を変えた。先端の方が明るい色に見えるはず。
  • 羽の断面は全て手仕事で丸く処理した。薄いため、この処理をしないと手で触った時に痛いし、服につけた時に生地を傷めかねない。
  • ピンの根元に4本の爪が出ている。これは回転止めと呼ばれ、服につけた時に回転してしまわないような機能を果たす。ジュエリー品質のものには大概付いているがアクセサリー品質のものには付いていないものがほとんどである。
  • メッキの厚さの違いは見た目ではわからないが、ジュエリー品質とアクセサリー品質では全く違う。アクセサリーはコスト重視のため、色が付けばOK。そのためすごく薄い。メッキが錆びてすぐダメになるものはアクセサリー品質。ジュエリーは長く使う事を前提に作るので、すぐに剥がれる事はない様に厚くかける。
  • 金メッキ(イエロー、ピンク)は当然18金である。アクセサリーは14、10金を付けている事も多い。
  • グレーとブラックは2度メッキを付けてこの色を出している。手間がかかる分、他のものより高い。
  • ピンのキャッチもジュエリーにつけるものを使っている。
  • 他、全てジュエリー品質で作っているので、アクセサリー品質のものとは全く違う。
  • 素材は全てスターリングシルバー(シルバー925)である。銀は時間とともに変色するため、全てにメッキがかけてある。シルバー色に見えるものにはロジウムメッキがかけてあり、色が変わる事はないのでご安心を。
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