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柴田明彦ビジネスの流儀八カ条

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柴田の講演会は、集中して聞かせる勢いがあるので終わる頃にはドッと疲れています(笑)
講演の最中、原稿を見ていない事もしばしばで、場の雰囲氣にあわせてアドリブで話し受講者の関心を逸らさない技術は、なかなか真似出来ません。
本番でこれを可能にするために事前準備にかける手間と時間は相当で、見えない仕事の完成度が本番の出来具合を決めるのだと間近で学びました。
今日のコラムは柴田の仕事を支える仕事の流儀八カ条です。

~僕のビジネス流儀~

講演に際して肝に銘じていることがある。それは受講いただく皆様の属性、会場に流れる「氣」を瞬時に把握し、予定稿をただ棒読みすることなく、臨機応変に適応とアレンジすることに努めることだ。拙著が某大学の入試小論文題材に使用されたご縁から、オープンキャンパスで講演する機会を頂いたことがある。300人ほど収容出来る階段教室の壇上に立ち、会場を俯瞰した。そこには高校生、保護者、大学関係者という3層の属性が存在している。野球に例えるならばストライクゾーンが三つあるということだ。ピッチャーは打者の特性を見極め、配球を熟慮して攻略する。直球一本では通用しない。登壇する者も然りだ。

さて講演で、比較的に好評を博しているのが「ビジネス流儀」編。講演終了後、データを要望されることが多々ある。ということで今回は「柴田のビジネス流儀八カ条」について。*部分は注釈。

第一条◆バランス

「仕事は事に仕える」という言葉に異論を唱えたい。

仕事は「属人」と「属事」の両輪をバランス良く回転させることが大切。

*“お役所的”という表現は、ネガティブな形容詞として使われることが多いが、僕はそのように捉えない。組織には人事異動が必須。担当者が替わる毎に業務支障をきたしてはならない。人事異動は顧客には一切関係ない。新旧担当者の間に、顧客に対する不備があるなどナンセンスの極み。それぞれの部署、係りに与えられた業務を遂行するのは必要最低条件だ。しかし、僕は考える。必要条件だけをクリアーして自己満足していないか。むしろ必要条件を100%満たしてから新たな闘いのゴングが鳴る!のではないかと。さまざまな職種がAI化されていく現代において、代替不能な自分の役割とは何か!?を徹底的に考え抜く。そこから十分条件を追究するステージが始まり、進化した自分に変貌する!と僕は考える。パーソナル・アイデンティティも忘れない。

第二条◆仮説力

総ての事象を対岸、野党席から眺めることなく、当事者意識を持つこと。

「もし自分が当事者ならば」という意識が「仮説力」向上につながる。

*講演、研修時の質疑応答で「企画力を向上させるには?」と訊かれることがある。その際に回答するのが、この仮説力。朝起きてから寝るまでの中、自分の生活空間、身近に題材はあふれている。題材選択は自由だが、問題解決の当事者として考えるトレーニング。そして大切なことは絶えず「複数案」の仮説を考えることだ。ちなみに僕は「三つ」を自身に課している。ちなみに日本人は“三大〇〇”と表現するのが好きな国民性だと思う(余談)。であるなら、僕の、ワタシの「三大仮説」を沢山ストックしようではないか!と提言したい。

第三条◆Mission

自分が手掛ける仕事を「やらされている」と考えるからストレスになる。

この仕事、作業の意味合いは何か!?と考え抜き自分なりの使命を見出すことが大切。

*組織心理学者のカール・ワイクが提唱する「センスメイキング」( Sense making)概念が大切だ。この理論は、日本語に訳すと「意味付け・納得」。自分の仕事に大義名分をつける。人類最大の敵はストレスだと僕は考えている。自分をいかにストレス・フリーな状態に保つか!?もビジネスパーソン永遠の課題ではないだろうか。自分のボスは自分!と脳を騙す(もとい洗脳する)大胆さも必要。

第四条◆Network

自分は“万能の神”ではない。全方位に視野を拡げれば、色々な「技」を持った人財に巡り合える。難易度の高い課題でもチームで取り組めば必ず達成出来る。
*電通在職中も社内外とのプレイヤーと協業することが多々あったが、独立した今振り返ると“同じ生態系”の中でのコラボだったように感じる。同じ部落、同じ種族で群れない!自分が慣れ親しんだ生態系を跳び越えた先での協業こそが、新たな化学反応を引き起こすことを独立してから日々学んでいる。僕が設立した法人名「多様性工房」に託す想いもそこにある。多様性とは社会属性の違いではないと肝に銘じる。思考、主義・主張、美学、哲学などの違いが多様性の本質だということを忘れては、真の果実を獲得できない。

第五条◆次世代育成・世代継承

一世代先を歩いた責務を全う。仕事に対する姿勢、哲学を「体現」する。

そして「補助線」「補助輪」の存在を意識して次世代に向き合う。

*“今どきの若い者”的な発言は、保守思考に陥った視野狭窄のシグナルであり、自己正当化あるいは陳腐な虚栄心の自己防衛に汲々する「他責」に過ぎないと心得る。次世代にメッセージを届けられないのは、自分のプレゼンテーション能力が劣化したに過ぎない。その現実から目を背けることなく「自責」を痛感し、改善に努める。若い世代との対峙を「ミラー効果」と認識できなければ“濡れ落ち葉”と化したオッサンになった証拠だと自身を戒める。

ちなみに僕の勝手な定義では、オッサンは劣化した烏合の衆であり、オヤジは孤高の戦士と区分けしている(思いっ切り余談)。

第六条◆想像力

ビジネスは「売り手の論理」と「買い手の心理」の溝を埋めること。

相手の立場にたって自分の一つ一つの言動を吟味していく。

*ビジネスは須らく心理戦争だと、師匠の一人から教わったことを前回のブログで紹介した。特に文語(主にメール)と口語のワーディングには細心の注意を払っていきたいものだ。現代社会は“想像力の欠如”で溢れているという悲しい現実。だからこそ想像力というエッジを効かせることに大きな意味があると僕は確信している。

第七条◆対面

電話やメール一本で片付けられる事を敢えて出向き、対面で話すことの重要性。

相手の表情、会話のニュアンス等深層を洞察する努力を怠らない。

*情報伝達手段は、電子メール、ショートメール、ライン、フェイスブック・メッセンジャー、Twitterなど多岐に渡り、商談や会合中において片時もスマホを手放さないビジネスパーソンが増えた。お互い貴重な時間と空間を共有し、今この瞬間「対峙」する意味合いに考えが及ばないのだろう。バーチャル世界では勇敢な獅子を多く見る。SNS世界での勇ましさを、リアルな空間でも発揮して欲しいものだ。先ずは出向く、そして正面から向き合い、肉声でコミュニケーションを図る。生身の人間を曝け出すことを怖れないこと。自説を晒し、対面相手と知的ボクシングに挑む。これもAIとの差別化につながるのではないだろうか。

第八条◆Contextual intelligence(コンテクスチュアル・インテリジェンス)

生きている時代の脈略を読み取る知性。

ビジネス環境は刻々と変化している、置かれた状況で絶えず最善策を講じる。

*コンテクスチュアル・インテリジェンスは、総てのビジネスパーソン原点に据えたい概念だと考えている。このテーマについては三日三晩語り尽くしたい(笑)。ポイントは二つ。1点目はコンテクスチュアル。モノゴトの現象面・氷山に隠れている裏側・水面下に潜在するコンテキスト(歴史、背景、文脈、前後・人間関係などなど)を洞察することの重要性。そして2点目はインテリジェンス。知識と知性の違いを再認識した上で、真のエリートを炙り出すインテリジェンスを追求したい。さらに言及するならば、国の民力・民度は教育に尽きる!が僕の持論。教育とは同心円の中心に家庭教育を据え、地域、学校、職場教育が渾然一体となって初めて成果を導き出すと考える。この際にも「生きている時代の脈略を読み取る知性」が発揮されなければならない。コンテクスチュアル・インテリジェンスを念頭に刻みながら日々進化していきたいものだ。(柴田明彦)

公益財団法人熊谷美術館の理事を務める柴田は、月に1回山口の萩に行っている。写真は萩にあるお蕎麦屋さんで寛ぐシーン。

公益財団法人熊谷美術館の理事を務める柴田は、月に1回山口の萩に行っている。写真は萩にあるお蕎麦屋さんで寛ぐシーン。

柴田の電通でのエピソードが読めます↓

漫画で読む電通鬼十則

 

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