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一滴の水、岩をも穿つ/シリーズ「電通イズムその功罪」-7

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電通時代ならありえない?!柴田のコップが空な件。お茶目な顔で周りに氣付いて欲しいアピール?

当コラムの人気シリーズ「電通イズムその功罪」の続編が到着しました。

続編を楽しみにしていたみなさま、お待たせしました。

人気シリーズが到着しました。

朝日新聞という”権威”を担当するにあたり異星人扱いの空氣を感じる中、なんとか先方に潜り込み、市民権を得るために柴田がはじめにした事は?どうぞお読みください。(編集長)

(もしこのページに最初に来た方、まだ前編をお読みでない方は「電通イズムその功罪-5」からどうぞ。)

柴田明彦、巨艦朝日の懐に入る/シリーズ「電通イズムその功罪」-5

~シリーズ「電通イズムその功罪」⑦~

本シリーズ続編を楽しみにされていた方(いるといいのだが・・笑)お待たせしました。前編の後半から接続しましょう。朝日新聞という巨艦に挑む物語スタート。

まずは前編「電通イズムその功罪-5」の終わりから。

~前略~朝日新聞は政治部と経済部出身者がテレコで(交互に)社長に就任してきた。編集局で一番部員が多いのは社会部だが、社会部出身者が社長に就任したことはなかった(過去形)。社会部は“本丸”でトップを取れない。ならばキャスティングボードと外郭(テレビ朝日系列ほか関連団体)での高位ポジションを獲得する!と考えてきたのではないだろうか(僕の邪推。だけど限りなく核心を突いているのではないかな)。新聞人は無類の人事好き!と述べた。編集種族も然り。「オレの次はX、Xの次はY、Yの次はZ・・・」と“数珠つなぎ”あるいは“永遠の樹系図”のように語る多くの編集局幹部と出会った。もし、この“見えざるライン”を把握できれば、将来の社長ラインにコミットすることが可能になる。このフォーメーションは中期目標に置いた。“千里の道も一歩より”と表現する自分の陳腐さに失笑しつつ、短期目標を設定した。政治部、経済部、社会部が編集局主流3部だとするならば“バルト3国”ならぬ運動部、学芸部、科学部に照準を定めた。なぜこの3部にしたか!?僕なりの戦略ビジョンがあったからだ。

柴田明彦、巨艦朝日の懐に入る/シリーズ「電通イズムその功罪」-5

~以降続編~

先ずは朝日新聞の知人・友人・盟友の皆様にお詫び。“バルト3国”表現は当然ながら僕の命名ではなく、御社“編集種族”の方から教えて頂きましたことをご報告します。さて“その3部”に狙いを定めた理由。それは僕でも「ネタ」の提供が可能であると考えたからだ。メディアマフィア最大の武器は情報(ネタ)。では開幕。

◆運動部

電通はスポーツマーケティングにも注力してきた。1984年開催のロサンゼルスオリンピックを契機に“商業五輪”が加速し、さまざまなスポーツイベントにもコマーシャリズム(商業化)の波が押し寄せた。すなわち各種スポーツイベントに対する冠協賛(例:TOTOスーパー陸上ほか)やオフィシャルサプライヤー(タイマー、飲料、シューズ、ウエアーほか)企業が増えた。というより積極果敢に電通が売りまくった!というのが適切な表現かも知れない。現在ではアスリートのウエアーに企業名が表記されている光景に抵抗感はないかも知れない。しかし1980年代は“珍しい現象”であり、各種スポーツ協会との間ではアマチュアリズムの鍔迫り合いも勃発していた。まさにスポーツマーケティングの創成期だったと思う。舞台裏から見るスポーツイベントというネタも運動部には喜ばれた。運動部との付き合いが深まり、名物運動部長K氏(早稲田大学ボクシング部OB)の存在を知る。K氏こそがアマチュアリズムの権化だった。先述した通り各種スポーツイベントの冠協賛形態が拡大していく中、K氏だけは最後まで抵抗した。「日刊ナイター陸上」を朝日新聞が主催することになり、電通は東芝にプロモートし冠協賛が決まった。「東芝スーパー陸上」が正式タイトルとして関係各方面で合意がなされた。朝日新聞社役員会おいても冠協賛は“時代の趨勢”と判断し冠表記を認める結論を出した。しかし“一介の運動部長”K氏は社の機関決定に異を唱え“東芝杯スーパー陸上”という表記で記事掲載した。この件は僕の“反逆児”DNAを激しく刺激した。一度お会いしてみたい!以来、気骨のある御仁にアプローチする機会を虎視眈々と狙う。チャンスはすぐ訪れた。K部長が航空部に異動することを知る。航空部?とにかくアポなしで航空部に突撃訪問。名物運動部長だったK氏と昵懇になれば“見えざる数珠つなぎ”の運動部閥にコミット出来る!という邪心を抱きつつ。

羽田空港に朝日新聞(ほかの新聞社もある)の社旗と社名が明記された格納庫を皆さまは何気に見ているはずだ。格納庫にはセスナとヘリコプターがあり取材に使っている。航空部はその管理部門でもある。また公益財団法人日本学生航空連盟会長は朝日新聞社の社長N氏が兼務し、朝日新聞社は全日本学生グライダー競技大会を日本学生航空連盟と共催で運営している。朝日新聞社は制空権もおさえているのか!?と感心した記憶が蘇る。

さて念願かなってK部長と対面。お会いするまでは“オニガワラゴンゾウ”のような方(ってどんな感じだよ・・・笑)とイメージしていたが、笑顔が素敵なオジサンだった(Kさん、ごめんなさい!)。東芝杯スーパー陸上の一件から是非一度ご尊顔を拝しに伺いたかった・・と切り出す。このイントロは良かったみたいだ(後日談)。スポーツイベント談義をした後、真顔である物件について依頼された。全日本学生グライダー競技大会は財政難で困窮している。今年は日本学生航空連盟設立〇周年、全日本学生グライダー競技大会〇周年で“ダブル周年”を迎える。是非協賛社を捜して欲しい!

僕のアドレナリンは異常分泌をきたした。その場からKDD宣伝部のS氏に電話し、西新宿に向かった。企画書もなく関連資料と企画概要を“口頭”でまくし立てて内諾を取った。良い時代だった(述懐)。後日、K部長をお連れしてKDDに向かうため朝日新聞に迎えにいく。朝日新聞社旗をつけたハイヤー(新聞種族は無類のハイヤー好き)車中でK部長が“悪戯っ子”のような笑顔で“布切れ”を渡してきた。布切れはゼッケンだった。そこには「001KDD」と明記されている。唖然!とはこのような時に一番相応しいと思う。東芝の一件をお忘れですか!と詰め寄るとチャーミングに「ゼロゼロ、ワンダフル!」と声を出して笑うKさん。完敗&乾杯だ。

埼玉県妻沼の滑空場で全日本学生グライダー競技大会が開催された。河川敷でK部長は僕とKDDのS氏を「君たちの恩人だぞ!」と各大学航空部の学生に紹介いただく。彼らは挙手敬礼で対応。まるで映画のワンシーンだ。ほどなくすると上空でバリバリと鳴る轟音とともに1機のヘリコプターが着陸する。K部長がヘリコプターに駆け寄り、降り立つ“方”に「001KDD」と表記されたゼッケンを付け、一緒に僕たちのところに戻ってきた。「こちらが日本学生航空連盟の恩人、柴田とSさんです」と紹介される。「そうでしたか。ありがとうございます」と言って差し出された名刺は朝日新聞社社長N江〇〇。朝日新聞担当の僕は当然ながらご尊顔を存知あげていたが、KDDのSさんは驚愕していた。ちなみに僕はいつもメディアの方々(自分より年上。年下だったらキレるよね。)から“呼び捨て”にされている。“身内”と思っていただけていると勝手に解釈しているからストレスはない。

K部長は航空部長を退任したあと高野連(公益財団法人日本高等学校野球連盟)の専務理事に就任。この属性でも“ある画期的な企画”(自画自賛)でお世話になった。その企画を紹介したい気持ちはマシマシだが、紙幅の関係から割愛させていただく。と煙に巻いて切り上げる。

◆学芸部&科学部

運動部の部分でオーバーランしたので、というか確信犯(笑)、学芸・科学部に関しては端的に述べる。この2部が扱うネタは無限大にある!以上オシマイ。運動部の部分で述べたスポーツイベントのオフィシャルサプライヤー各企業を科学的に分析することだって可能。アスリート向け機能性飲料開発の舞台裏などなど。また、その開発物語を学芸的に“料理”することも可能だ。電通が取引する企業は数千社。電通は「ネタ通」でもあるという好都合な真実を情報戦争に活かさなくてはもったいないではないか。故マータイさんに叱られちゃう。

お後がよろしいようで。(柴田明彦)

~続く~

今回も良いところで終わってしまいました。続きが早く読みたいですね。
ところで私編集長、オニガワラゴンゾウと聞いて、まさにこんな↓人物を想像しました。

※オニガワラゴンゾウのイメージです。笑

柴田本人ですやん!

笑!

今度柴田を「ごんちゃん」と呼んでみましょうか。笑。(編集記)

電通時代ならありえない?!柴田のコップが空な件。お茶目な顔で周りに氣付いて欲しいアピール?

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